超大型犬のオムツカバーを作ってみた
目次
- 超大型犬の事情
- キッカケは老犬介護スーツ
- オムツカバー製作の経緯
- オムツカバーの形と目的
- 材料
- サイズを測る
- 裁ち方
- 縫い方
- 着せてみた
- オムツカバーの別バージョン
- 吸収シートを入れてお留守番スタンバイ
- 製作後の感想
超大型犬の事情
愛犬が歳を重ねて歩けなくなってしまうと、オシッコ、ウンチのお世話が大変になってきます。
今回は超大型犬のオムツカバーを製作したお話です。
最近は様々な犬goodsが出回っていて、大型犬までのオムツカバーは使い勝手の良いものが販売されています。
しかし、超大型犬ともなると中々サイズが無いのが現状なのです。
キッカケは老犬介護スーツ
タオルを持ってお散歩にでかけるところ
名前はラー君と言います。
犬種はニューファンドランド犬のオス、当時12歳。
体重は60kg、胸囲は101㎝、沖縄在住。
大き過ぎてこのサイズのハーネスはとても少ないのです。
なのでkenkenは、特注品として「老犬介護スーツ」をお作りしました。
このころは立ち上がりと庭での排泄は出来ていましたが、お散歩に行くには飼い主のAさんが不安だと言うのです。
なぜなら、途中でラー君がヘタってしまうと帰れなくなるからだそうで… なるほど重くて抱っこも出来ないからだ、と納得しました。
だからこのハーネスを着て、近場でのお散歩は楽しめたそうです。
友達犬と遊ぶ若い頃のラー君
オムツカバー製作の経緯
1年ぐらい後に様子を見に行ってみると、ラー君は後ろ足が立たなくなっていました。
でも上半身は元気でゴロゴログルグルしながら、少し移動出来ていたのです。
Aさんは普段、お仕事に出かけるのでシッターさんに来てもらっていました。
しかし、都合上どうしても3時間ほどラー君が1人になってしまうのです。
そのころは、オシッコ吸収シートを敷き詰めた上で排尿する、という生活でした。
ある日、その「魔の3時間」にラー君はオシッコをいっぱいして、冷たくなった吸収シートの上でブルブル震えていたのだそうです。
「これは大変!」ということで、kenkenにオムツカバーの製作を依頼してきた、という訳なんです。
暑い沖縄だけれども… 寒さに強いニューファンだけれども…
濡れたものの上で動かないでいるとさすがに冷えてしまうのですね。
この日は大好きな海でリハビリ。歩けなくても楽しいことがいっぱい。
オムツカバーの形と目的
◎形
オス用のマナーベルトに股当てが付いたフンドシのような形になっていて、下にズレない様に柔らかいエプロンが付いています。
◎目的
中に吸収シートやフルの紙おむつをはいて、絶対にずれない・漏れない様に固定するものです。
※オシッコ漏れの為だけのオムツカバーです。
材料
〇不要なトレーナー
(素材は水をあまり吸わないアクリル100%が最適。サイズはメンズのLL)
〇不要なTシャツ
(素材は滑りが良いポリエステル100%が良い。サイズはメンズL以上)
〇マジックテープ
(百均のものでOK)
サイズを測る
測る場所は2ヶ所のみです。
裁ち方
①ベルト部分
★トレーナーで胴回りベルトと股周りベルトの2枚を作ります。
良く伸びる横位置で裁ちます。
★2個のベルトはそれぞれ1枚では薄いので、2枚仕立てにします。
★胴回りベルトの幅と長さ
・「チンチンがかくれて、内股が擦れないぐらいの幅」にします。
・長さは伸びて留まるように作るので、測った胴回りより短くします。
・伸びの度合いは、苦しくない程度に締めるぐらいです。
★股周りベルトの幅と長さ
・幅は足を動かせる程度のなるべく幅広にします。
※オムツや吸収シートがはみ出ても良いのです。
②エプロン部分
Tシャツの袖・縫い目を切り捨てて、前身ごろと後ろ身頃を切り離してから、上図のように裁ちます。
縫い方
①ベルト部分
・2枚重ねに裁ったベルトの周囲の処理は、ニット用テープで包む・ジグザグミシン・手縫いでかがる、などがあります。
袋状にして表に返すのも有りです。今回はこの方法で作りました。
ニットなので、少々伸ばし気味に縫います。
・出来上がったベルト部分(水色)の2枚を下図のようにT字形に縫い合わせます。
・愛犬に着せてマジックテープの場所と長さを決めます。
※シッポ穴は、まだ開けません。
②エプロン部分
こちらは、ほつれないのですがクルクルと巻いてしまうので、1回折って縫っておきます。
③上下をつなぐ
・上図のようにベルト部分とエプロンをつなげます。
④しっぽ穴を開ける
・最後に着せてみてシッポ穴の位置に印を付けてから、穴を開けます。
・しっぽ穴の処理
・シッポの穴の大きさは、シッポとお尻の穴が出るくらいの大きさ、縦長の形です。
・シッポ穴は伸びない為とほつれ止めにトレーナーのリブ編みの部分を使います。
・リブ編みの生地は輪っかに縫ってから半分に折りシッポ穴を包んで縫います。
※ニットテープで包んでも良いです。
※難しいなら、手縫いでかがります。
着せてみた
まだ吸収シートはつけていないので、すっきりスリム
オムツカバーの別バージョン
シッポの穴の位置が難しい場合はコレ
しっぽ穴の無い後ろクロススタイル
背中側
別バージョンのオムツカバーは、二股に分かれたベルトを背中にまわし、シッポの上でクロスして、胴回りベルトにマジックテープで留めます。
今回のベルト部分の布端処理は、ニット用テープでくるみました。
シッポ穴が無いので少し自由が効きますが、クロスして留める部分が厚ぼったくなります。
ニット用テープは高いけれども便利!
吸収シートを入れてお留守番スタンバイ
ひとりでお留守番の時のスタイル
「えっ、こんなに入れるの」と言うぐらいオシッコ吸収シートを入れています。
オシッコの量が相当多いので“念のため”と言うことなのでしょう。
製作後の感想
このオムツカバー、不格好ですけれどお役に立てたそうですよ。
この後、似たようなものを合計2枚、製作依頼されました。
パンツ型のオムツカバーも考えたのですが、内股が擦れやすいのと大きい犬には履かせにくいので止めました。
このフンドシスタイルですと足の動きが自由で暴れても擦れることは少ないし、着せやすいです。
サスペンダー代わりのエプロンはポリエステルが薄く伸びて柔らかく、体になじみます。
今回はオシッコの量が多い超大型犬のオムツカバー製作の話でしたが、大型犬~小型犬でも応用できると思います。
案外、着やすいフンドシ型のオムツカバー、不用品で出来るのでお勧めです。
注意点は、カブレに気を付けることです。
長時間付けさせないこと、外した後は体を拭いてあげましょう。
なお、このオムツカバーは老犬介護kenkenで販売しておりません。