老犬介護★試行錯誤の日々
我が家の愛犬サーフの介護を終えて数年がたちます。
今、落ち着いて考えてみると、色々工夫したこと・やって良かったこと・やらずに後悔したことなどが思い出されます。
今回は実際の介護の経験を通して分かったことや、調べて「なるほど」と思ったことなどを書いていきたいと思います。
目次
- 我が家の愛犬が要介護になった原因
- 後ろ足の感覚が無くなっても散歩に行く
- 水を飲み過ぎる
- オシッコのお漏らし対策
- 老犬介護スーツで最後まで外で排便できた
- 犬の床ずれは1日で皮膚が破れる
- 最後の海
- 動けない老犬が泣き叫ぶ
- 老犬が泣く(吠える)原因を考える
- 精神安定剤を利用
- マッサージ
- まとめ
我が家の愛犬が要介護になった原因
サーフの介護の様子は前に3回ほどこのブログで書いてきました。
サーフは実は自然に要介護になったわけではないのです。
高齢(16歳)にもかかわらず、胃捻転の手術を決行したのが体の老化を速めてしまったのだと思っています。
全身麻酔からなかなか醒めなくて、醒めた時には「要介護状態になっていた」というわけです。
その様子は…下記の記事にあります。
後ろ足の感覚が無くなっても散歩に行く
前回の老犬サーフの記事「老犬介護ハーネスが欠かせない日々」では、腰が落ちてしまいヨチヨチ歩きになっていましたが、その10か月後(17歳)にはそのヨチヨチ歩きもできなくなってしまいました。
老犬介護ハーネスを着せて歩かせても後ろ足は感覚がほとんど無く、棒を引きずっているように見えます。
このようなお散歩でも当犬は嫌がりもせず、無表情です。
しかし、無表情でヘロヘロでも、本犬は外出できて喜んでいるのだと思います。
下の写真は、散歩の帰りは疲れるのでカートに乗っている様子です。
後ろ足はナックルを通り越して内側に曲がったまま棒の様になっていて、感覚がにぶそうです。
これではお散歩と言えないかも知れませんが、やはり外に連れ出せばオシッコ・ウンチもしますし、夜も寝つきが少し良いのです。
それに、こうして庭や外に連れ出さなければ、すぐに「寝たきり状態」になることは必至なのです。
荷物運びの2輪カート。タイヤを大きいのに取り換えている。
▲point①
なるべく寝たきりを避けるため、また、脳に刺激を与える意味でも無理のない範囲で外に連れ出そう。
水を飲み過ぎる
水を飲んだら止まらなくなる
サーフは18歳を過ぎてから、水をたくさん飲むようになりました。
好きなだけ飲ませて計量してみたら、1回で1000mlも飲んでいたのです。
ですから、1日では2000ml以上は飲んでいたと思います。
犬が多飲多尿になった場合、予想される病気は…
①腎臓病
②糖尿病
③副腎皮質機能亢進症
④子宮蓄膿症(メス) などが考えられ、
危険な場合もあるので、必ず動物病院で見てもらった方が良いそうです。
サーフも診てもらいましたが高齢と言うこともあり、しばらくは様子を見ることになりました。
▲point②
犬が水を飲みすぎるのは、病気が原因の時もあるので、動物病院に行った方が良い。
オシッコのお漏らし対策
サーフは多飲多尿になったので庭でのオシッコが間に合わなくなり、マナーパンツを付けるようになりました。
老犬介護パンツの中にマナーパンツを付けている
老犬介護パンツの中にマナーパンツと尿取りパットを敷きました。
パットに排尿すると気持ち悪いのか、泣いて知らせるのですぐ取り換えます。
オスなので取り換えは簡単だし、お陰でずっとカブレ知らずでした。
尿取りパットは人間用を使用、割安なのでたくさん使いました。
※女の子の場合は、メス用マナーパンツや生理用パンツというのが売っています。
体の大きさによって、人間の大人用の尿取りパットや生理ナプキンを中に入れます。
老犬介護スーツで最後まで外で排便できた
ウンチの方は頃合いを見計らって庭に連れて行ってさせていましたが、タイミングが合わず何回もチャレンジしなければなりませんでした。
そんな時、ずっと着ている老犬介護スーツがとっても役に立ったのです。
思い立ったらすぐに行けますからね。
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外で排便させるのも手間かかるのですが、オムツに受け止めるよりはずっとマシだと思うのです。
オムツで排便の場合…
①フルオムツやおしりふきを用意する
②お世話しやすいように、常にお尻周りの被毛を短く刈っておく
③時々下半身を洗う
④肌の清浄を心がけ、常に清潔に保つ
などが必要になって来るので、どうしてもお金や手間がかかります。
フルオムツを付ける練習をしてみた
後ろから見たところ。 介護パンツがオムツの抑えになっている
▲point③
老犬がお漏らしをするようになっても、全面的にオムツに頼らずに外や犬トイレで排泄させてみよう。
オムツを使うようになってからは肌の清浄を心がけ、たまにはオムツを外して蒸れないようにしよう。
マナーパンツを外すと涼しいなぁ
犬の床ずれは1日で皮膚が破れる
「コレ生きてるの?」と言われるほど激ヤセ。ゴツゴツな箇所が床ずれ要注意。
痩せた老犬は床ずれができ易いです。
骨がゴツゴツしているので、骨と敷物に挟まれた皮膚と皮下組織が圧迫されるからです。
私はサーフの床ずれに気付いてあげられなくて、悪化させてしまいました。
ある日、肩のゴツゴツした所の毛が抜けて赤くなっていたので、明日処置しようと思っていたら、次の朝には2㎝ぐらいの穴が開いてしまったのです。
動物病院で見せたところ、「大きい傷なので縫った方が早いですよ」と言われ、処置してもらいました。
以前、サーフの姉犬にも床ずれを作ってしまい、その時は「肉芽形成の軟膏」をもらいそれで完治しました。
軟膏を塗るうちに4~5日ぐらいでツルンとした肉の盛り上がりが出来てきて傷が乾きました。
また、最近では湿潤療法といって、床ずれの傷を湿らせたまま治していく方法もあり、多くの方が愛犬に試した結果をブログなどにあげています。
この方法は安上がりですが雑菌の心配があるので、細心の注意が必要です。
この3つの治療法では大きな傷は縫った方が治りが早く、小さめの傷なら塗り薬、又は湿潤療法で治すのが良いです。
治るまでは皮膚が薄いので、傷保護のためにパットを当てた方が再発しにくいです。
犬用の床ずれ防止パットやドーナツクッションが販売されていて、動けないワンちゃんにはこれが便利だと思います。
しかし、少しでも動ける場合は、ハーネスに固定できるパットが外れなくて良いです。
毛が生えているため、テープで固定できないですしね。
介護ベストの前ベルトに丸いクッションを当てたら、場所がちょうど良かった
お股には食い込み防止のパットを付けてみた
クッションパットはマジックテープで付けていたが厚くなるので、糸で縫い付けた方が良かった。
▲point④
床ずれは傷が破れるのが早いので、未然に防ぐ対策が必要。
・頻繁に寝返りを打たせる。
・常に体を調べて、あやしいところにはパットを当てておく。
最後の海
壮年期のサーフ
サーフは生後3ヶ月のころ我が家にやってきました。
名前の由来は、surf=波なんです。
飼い主の「一緒に海で遊びたい」との願いが込められているのです。
実際、大きな波が来るとサーフは体を縦にして頭だけ出してスィーと波をかわすのが上手でした。
このように泳ぎは大好きだったので、リハビリも兼ねて最後の海遊びに連れて行きました。
支えてあげれば、まだ動く前足で犬かきするかな?と淡い期待と共に・・・
そしたら、ほんの少し犬かきしてその後はもう全く…
それどころか、横倒しになってゆら~っと浮かんでしまいます。
体温と体力を奪ってしまうので、早々に退散しました。
動けない老犬が泣き叫ぶ
我が家の老犬サーフは、度肝を抜く怖がりでした。
それでも若い頃は笑って済まされていましたが…
寝たきり手前の老犬になると「恐がり」が「分離不安症」に変わっていきました。
家族の誰も見えないと不安のあまり、昼夜を問わず泣き叫んでしまうのです。
「僕を放っておくのかー」と言わんばかりに泣きます。
この悩みは介護老犬をかかえた家庭ではかなり多いようで、ネットの相談コーナーでは深刻な悩みを打ち明ける方をよく見かけます。
調べていくうちに老犬介護の中で一番やっかいな問題だと気がつきました。
老犬が泣く(吠える)原因を考える
あまり動けない要介護の老犬は、暑い・寒い・痛い・お腹空いた・不安・寂しい…などの様々な心身の欲求を満たすことができないため泣くことがあります。
これは「要求吠え」といって、よく観察するとどうして欲しいのかがわかることもあります。
しかし、要求吠えはまだマシなのです。
要求を満たしてあげれば解決することもあるのですから。
一番問題なのは、認知症のせいで理由も泣くことなのです。
理由がなければ解決法が見つかりません。
夜中に泣かれると、自分や家族が眠れなくて疲れるし、ご近所さんに迷惑がかかる…などの心配がつのります。
賢明な飼い主の皆さんが試している対策は…
①まずは、動物病院に相談に行く。
③昼間に外に連れ出し、昼夜逆転を直していく。
④認知症独特のグルグル回りを好きなだけさせて、ストレス解消させる。
⑤防音ケージを用意して鳴き声が外に聞こえにくくする。
⑥老犬ホームにあずける
などがあります。
②の薬やサプリは効く場合と効かない場合があって、最初の内はとても効くけれど、だんだん効かなくなることも多いようです。
④の防音ケージはかなり高価ですが、飼い主の安眠やご近所への配慮のためには優れモノだと思います。
あっ、今メルカリで調べたらたくさん出品されていました。
改めて、犬の泣き声で悩んでいる方が多いのに気付かされました。
⑤の老犬ホームに預けるは、最後の方の手段です。
「愛犬と別れがたい」「最後まで自分でお世話しないなんてひどい」などの感情がわいてきます。
しかし、最近の老犬ホームは老犬にとって居心地の良い施設となっていて、案外ここで老後を過ごした方が幸せなのかも知れません。
お友達老犬もたくさんいますし、たまには飼い主も会いに来てくれます。
沖縄県内の老犬ホームはまだまだ少ないようですが、必要性から少しずつ増えていくことと思います。
さて、我が家の場合は…
老犬サーフは体もあちこち痛かったと想像されますが、夜泣きの原因として「そばに居て欲しい」気持ちが大きかったと思います。
サーフの夜泣きでうちの家族も次第に疲れてきて、イライラが募りギクシャクしてしまいました。
特に夜中に鳴かれると睡眠不足になってしまいます。
「仕事もあるし、これじゃあダメだ!」と思い、家族交代で添い寝することにしました。
添い寝したら、夜泣きがマシになった
添い寝してあげてもゴソゴソしたら、寝返り・オムツ交換・寝ながら撫でる、を繰り返しました。
まあ、すぐそばに居るのでお世話はすぐできるし、サーフも心が安定するようです。
この対策で私たちも前よりは眠れるようになりました。
精神安定剤を利用
サーフに添い寝しても鳴いてしまう時の為に、病院から精神安定剤を処方してもらっていました。※薬名は忘れてしまった。
しかしこれには副作用があり、しかも服用を繰り返しているうちに効かなくなってきました。
副作用とは目が落ち窪んで目ヤニだらけになってしまう恐ろしいものです。
服用を止めても目はとうとう治りませんでした。
▲point⑤
薬やサプリはそのワンちゃんに合っているかどうかは未知なので、慎重に服用しよう。
マッサージ
老犬介護していた2年間で後悔していることがあります。
サーフは背骨の湾曲や節々がかなり固かったので、動きが何だかギクシャクしていました。
それは老人(人間)がそうであるように、老犬サーフも体の節々も凝ったり痛かったりしたに違いありません。
人間だったら整形外科や整体などの施設で施術を受けられますが、犬のマッサージを受けれるところはまだまだ少ないです。
だから、せめて飼い主の私たちがマッサージをしてあげれば良かったなと後悔しています。(※マッサージの講習会は沖縄でもあるようです)
あとで知ったのですが、犬への整体やマッサージは安眠につながるらしいのです。
以前、このブログにも登場した「ラー君」は体があちこち痛くて、整体師さん(対人間の)に特別にお願いして施術してもらっていたそうです。
すると、「施術した夜はすっきりしてよく眠れた」と飼い主さんが話していました。
犬にも人間にも整体は効くんだなーと感心しました。
素晴らしい老犬介護をされていたラー君と飼い主さんの記事は↓
老犬ラー君が整体を受ける
まとめ
最近は昔に比べてワンちゃんも長生きになってきているのは、喜ばしい事です。
しかしその分、要介護になる可能性も高いわけでです。
老犬の三大お困りごと
第1位:夜泣き
第2位:歩けなくなる
第3位:排泄の苦労
私は老犬介護を経験する前、愛犬の最後に漠然とした不安を感じていました。
だから「タマ(サーフの姉犬)ちゃん、最後はピンピンコロリでお願い!!」と言い聞かせていました。
そしてそのとおり、タマは18歳でピンピンコロリだったのです。
でもそんなの偶然で、屁のツッパリにもなりませんよ。
弟犬のサーフはお願いしても要介護でしたから。
老犬介護の知識がないまま、うろたえたり試行錯誤したりして乗り越えてきましたが、失敗も数々あり、それ故、愛犬を苦しませてしまったこともあります。
だから、これから犬を飼おうと思っている方には、老犬介護のことを少しでも知っておいて欲しいのです。
老犬介護の知識があれば、愛犬への接し方におのずと余裕が出てくると思うからです。